神経心理学的検査って何？身近に使える基礎知識

神経心理学的検査は、脳の働きを鏡のように映し出すテストです。記憶力や注意力、言語能力など、日常生活で使う認知機能を数値で測ります。医師や臨床心理士が診断やリハビリの計画に使うので、受けたことがない人でも知っておくと役立ちます。

検査の流れはこんな感じ

まずは問診で症状や生活背景を聞きます。その後、紙やコンピュータを使って数種類の課題をこなします。例えば、数字を逆に言う、絵を見て同じ形を探す、短い文を覚えて後で再現する、といったものです。1回のセッションは30分から1時間程度で終わります。

検査が終わると、専門家が結果をまとめてレポートを作ります。スコアがどの程度か、どの領域が弱いかが一目で分かるので、治療や生活改善のポイントが具体的に見えてきます。

高齢者で物忘れが気になる人、脳卒中や外傷後のリハビリが必要な人、学習障害やADHDの診断を受ける子どもたちが主な対象です。仕事でミスが増えたと感じる社会人も、ストレスや睡眠不足が原因かどうか確認したいときに活用できます。

たとえば、65歳の父親が最近名前を思い出せないと訴えたら、神経心理学的検査で軽度認知障害かどうかを判定できます。結果が出れば、早めの対策や生活習慣の見直しが可能です。

検査は医療機関だけでなく、大学の臨床心理学部や専門のリハビリセンターでも受けられます。料金は施設や検査項目で違いますが、保険が適用されるケースもあるので、事前に確認しておくと安心です。

結果をどう活かすかが大切です。スコアが低い領域は、脳トレや作業療法で改善を目指します。逆に高得点の部分は、日常生活で活かすことで自信を取り戻す材料になります。

最後に、検査はあくまで一つのツールです。自分だけで結果にとらわれず、医師やカウンセラーと一緒に次のステップを考えることが重要です。もし興味があれば、最寄りのクリニックに問い合わせてみましょう。

中原美紗

CISでの認知変化は早期から起こりやすい。神経心理学的検査の使い方、推奨テスト、解釈、実装のコツ、予後予測や治療判断への活かし方を実務目線で解説。