ステロイドによる体重増加とムーンフェイスの対策法

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ステロイドを長期間使うと、顔が丸く膨らんだように見える「ムーンフェイス」や、全身に体重が増える現象が起きることがあります。これは見た目の問題だけではなく、心の負担になり、治療をやめてしまう人もいます。でも、この症状は対策が可能です。医師の指示のもとで、食事や生活習慣を少し変えるだけで、顔のむくみや体重増加を落ち着かせることができます。

なぜステロイドで顔が丸くなるの?

ステロイド(主にプレドニゾロン)は、炎症を抑えるために使われる薬です。しかし、長く使うと体のホルモンバランスが乱れます。特に、脂肪が顔や首の周りに集まりやすくなるのです。これは「脂質の再分布」と呼ばれる現象で、通常は体の下腹部や太ももにたまる脂肪が、顔や首に移動します。その結果、顔がパンパンに膨らみ、まるで月のように見えるようになります。

また、ステロイドは体に塩分(ナトリウム)をため込ませます。塩分が増えると、体は水分をためて膨らもうとします。顔の皮膚は薄いので、ここに水分がたまると、むくみが目立ちます。この二つの要因--脂肪の移動と水分の滞留--が重なって、ムーンフェイスができます。

この症状は、通常、ステロイドを3か月以上飲み続けた人に現れます。1日7.5mg以上のプレドニゾロンを飲んでいる人では、3割以上が顔の変化を経験します。女性や若い世代で起こりやすいのも特徴です。これは、体の脂肪のつき方やホルモンの反応の違いによるものです。

体重増加は、ただ太ったわけではない

ステロイドで増える体重は、単なる脂肪の増加ではありません。脂肪が顔やお腹にたまるだけでなく、筋肉が減り、水分が体内にたまるためです。そのため、体重計の数字だけでは、本当に「太った」のかどうか判断できません。

特に、お腹周りに脂肪がたまるのは、ステロイドの典型的な影響です。これは、内臓脂肪が増えているサインでもあります。内臓脂肪が多いと、糖尿病や高血圧のリスクが上がります。だから、体重が増えたと感じたら、単に「太った」と諦めるのではなく、体の中の変化を意識することが大切です。

対策1:塩分を徹底的に減らす

ムーンフェイスと水分のむくみを減らすためには、塩分を減らすのが最も効果的な方法です。1日1,500mg以下の塩分摂取が推奨されています。これは、味噌汁1杯分(約1,000mg)と、コンビニのおにぎり1個分(約500mg)を合わせた量です。

外食や加工食品は、塩分が驚くほど多いです。カップラーメン、惣菜、ソース、漬物、缶詰、ベーコン、チーズ--これらを減らすだけで、塩分摂取量は半分以下になります。自炊するときは、調味料を減らして、ハーブやレモン、酢で味をつけると良いでしょう。

塩分を減らすと、体は「ためこんだ水分を排出しよう」とします。1〜2週間で、顔のむくみが少し引き始めます。多くの患者が、「2週間で顔の輪郭がはっきりした」と実感しています。

対策2:水をたくさん飲む

「水を飲むとむくみが悪くなるのでは?」と思うかもしれません。でも、逆です。体が塩分をため込んでいるとき、水を飲むと、腎臓が「もう塩分はいらない」と判断して、余分な塩と水を尿として排出します。

1日2リットル以上の水をこまめに飲むことが、むくみを減らすコツです。朝起きたらコップ1杯、食事のたびにコップ1杯、就寝前にもコップ1杯。一気に飲まなくても、こまめに飲むのがポイントです。炭酸水やお茶でも構いませんが、砂糖入りの飲み物は避けてください。

人が公園で軽く歩きながら、カリウムと水分の健康ヒントが浮かぶ。

対策3:カリウムを意識して摂る

カリウムは、体内のナトリウムを排出する手助けをします。バナナ、ほうれん草、かぼちゃ、アボカド、納豆、きのこ類に多く含まれています。特に、ほうれん草の煮物や、かぼちゃの味噌汁は、日本の家庭で取り入れやすいです。

カリウムを摂ると、塩分の影響を弱めることができます。ただし、腎臓の機能が悪い人は、カリウムの摂取量に注意が必要です。医師に相談してから取り入れてください。

対策4:運動は軽めに、筋力維持が鍵

ステロイドは筋肉を減らす作用があります。だから、運動をやめると、体はますますたるんで見えます。でも、激しい運動は逆効果です。汗をかきすぎると、体が水分をためようとするため、むくみが悪化することがあります。

おすすめは、軽いウォーキング(1日30分)、ストレッチ、軽い筋トレ(椅子に座って足を伸ばす、壁に手をついて腕立て伏せ)です。週に3〜4回、15〜20分で十分です。筋肉があると、脂肪のつき方が緩やかになり、顔の輪郭も少し引き締まって見えます。

対策5:ステロイドの用量は医師と相談

最も根本的な対策は、ステロイドの用量を減らすことです。しかし、勝手にやめたり、減らしたりするのは絶対にやめてください。急にやめると、命に関わる「副腎不全」を起こす可能性があります。

医師は、あなたの病気の状態に合わせて、できるだけ低い用量で、できるだけ短い期間で治療するように調整します。例えば、1日10mgから8mgへ、2週間ごとに少しずつ減らすという方法です。この「減量」のプロセスは、数ヶ月から1年かかることもあります。

「用量を減らしたら、顔のむくみはすぐに消える?」--いいえ。通常、ステロイドをやめてから、顔の形が元に戻るまで6〜12か月かかります。焦らず、時間をかけて治していくことが大切です。

左は不健康な生活、右は改善した生活。顔の変化と治療の過程を示す。

心のケアも、治療の一部

ムーンフェイスは、見た目が変わることで、人との関わりを避けたくなるほど、心に影響を与えます。ある患者は、「鏡を見るのが怖くなった」「友達に会うのをやめた」と語っています。SNSや病気のコミュニティでは、多くの人が「自分は醜くなった」と感じています。

しかし、これは「病気の副作用」であって、「あなたの価値」ではありません。心のケアも、治療の一部です。信頼できる医師や看護師に、自分の気持ちを話してみてください。日本では、がんや慢性疾患の患者を支える「患者支援センター」が、多くの病院にあります。そちらで、心理カウンセリングを受けることも可能です。

注意:他の症状にも気をつけて

ステロイドは、ムーンフェイスだけでなく、他の症状も引き起こします。以下のような変化があったら、すぐに医師に相談してください:

  • 頭痛がひどい
  • 傷がなかなか治らない
  • 尿の量が減った、または増えた
  • 血糖値が急に上がった(糖尿病の兆候)
  • 眠気や疲れがひどい

これらは、ステロイドの過剰な影響や、副腎の機能低下のサインかもしれません。早めに調整すれば、深刻な状態を防げます。

まとめ:ムーンフェイスは「治る」症状

ステロイドによるムーンフェイスや体重増加は、一時的なものです。薬をやめれば、必ず元に戻ります。でも、その過程で、自分を責めたり、諦めたりしないでください。

塩分を減らす、水を飲む、軽い運動をする--この3つを継続すれば、2〜4週間で顔のむくみが少し改善します。医師と相談しながら、ステロイドの用量を減らしていけば、6〜12か月後には、ほとんど元の顔に戻っています。

あなたが頑張っているのは、病気と闘うためです。そのために必要な薬が、一時的に見た目を変えているだけです。自分を責めず、小さな変化を積み重ねてください。あなたは、ただの「顔が丸くなった人」ではありません。治療を続けている、強い人です。

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