高齢になると、さまざまな病気に対応するためにたくさんの薬を飲むことが普通になります。でも、薬が多すぎると、かえって体に悪影響を及ぼすことがあります。めまい、だるさ、記憶力の低下、転倒のリスク増加--これらは、薬の副作用のよくあるサインです。実は、薬を減らすことが、健康を守り、生活の質を高める第一歩になることがあります。このプロセスをデプロスクリビングといいます。でも、医師に「薬を減らしたい」と言うのは、どうすればいいのでしょうか? 多くの高齢者が「もっと薬を減らしたい」と思っています。でも、83%の人が、どの薬を減らすべきかわかりません。また、41%は「難しそうな人だと思われるのが怖い」と感じています。でも、実は、患者自身がこの話題を積極的に持ち出すことで、薬の減量が成功する確率は92%も上がります。医師は、あなたが何を大切にしているかを知ることで、より適切な判断を下せるのです。
なぜ薬を減らす必要があるの?
5種類以上の薬を飲んでいる高齢者の15%が、薬の副作用で病院に運ばれています。これは、薬が体に負担をかけている証拠です。たとえば、血圧を下げる薬を3種類飲んでいるのに、血圧がいつも90/60と低すぎる場合。あるいは、認知症の薬を飲み続けているのに、もう歩くことも話すこともできなくなっている場合。薬の「効果」が、その「リスク」を超えているとき、減らすのが安全な選択です。 特に注意が必要なのは、以下のような薬です:- 長期間の抗不安薬(例:ロラゼパム)--記憶力低下、転倒リスク増加
- 胃酸を抑える薬(例:オメプラゾール)--5年以上飲むと骨粗しょう症や感染症のリスクが上昇
- 糖尿病薬(例:グリメピリド)--低血糖で意識を失う危険がある
- コレステロール薬(例:アトルバスタチン)--80歳以上で心臓病のリスクが低い場合、効果が薄い
- 鎮痛薬(例:アセトアミノフェン+オキシコドン)--肝臓への負担と依存のリスク
話し方のコツ:「薬を減らしたい」ではなく「生活を守りたい」と伝える
「薬を減らしたい」だけでは、医師は「それは医学的に必要だから」と答えるだけです。でも、こう言ったらどうでしょう:「最近、朝起きたときにめまいがひどくて、トイレに行くのが怖いんです。だから、お風呂に入るのも、庭の花を水やりするのも、できなくなってきました。私は、まだ庭で花を育てたいんです。この薬が、その手伝いになっていないなら、減らす方法はありますか?」
この話し方は、JAMA Network Openの研究で、患者の78.3%が最も共感する理由です。「副作用で生活が困っている」という実感を伝えるからです。医師は、薬の効果よりも、あなたの「生活の質」を重視するようになります。 別の例:「祖父は、毎日3種類の血圧薬を飲んでいます。でも、血圧はいつも100/60くらい。最近、立ちくらみで2回転倒して、大腿骨を折りました。彼は、杖をついても、公園で孫と散歩したいと言っています。この薬、本当に必要ですか?」
このように、具体的な行動(散歩、庭仕事、孫と遊ぶ)と、その障害(めまい、転倒)を結びつけると、医師は「この薬は、彼の目標を阻害している」と理解します。話し合いの前に、準備すること
医師の診察は、平均して10分程度です。その中で、薬の減量を話し合うには、準備が必須です。 1. 薬の完全なリストを作る処方薬だけでなく、市販薬、漢方、ビタミン、サプリメントもすべて書き出します。薬の名前、量、1日の服用回数、いつから飲んでいるかを記録します。多くの患者が、サプリメントを忘れてしまうので、注意してください。 2. 副作用を日記のように記録する
「めまい」だけではなく、「朝7時、薬を飲んで2時間後にめまいが起こり、3回転倒した」のように、時間と頻度を書きます。これがあるだけで、医師は「これは薬のせいだ」と判断しやすくなります。 3. 1〜2つの薬を優先して選ぶ
全部の薬を減らしたいと思っても、医師は混乱します。まずは、あなたが一番気になっている薬を1〜2つ選びます。たとえば、「この抗不安薬が、一番眠気を起こしている」「この胃薬が、下痢を引き起こしている」など。 4. 生活の目標を明確にする
「元気になりたい」ではなく、「毎日、朝のコーヒーを飲むときに新聞を読みたい」「孫の入学式に立って出席したい」など、具体的な目標を1つ決めます。この目標が、薬を減らす理由になります。 5. 診察の時間を確保する
「薬の見直し」や「服薬の相談」を予約のときに伝えてください。診察の最後に「ちょっと薬の話がしたい」と言うと、医師は時間が足りないと感じて先送りにします。
医師と話すときの具体的なフレーズ
次のフレーズは、研究で効果が証明されています。そのまま使ってください。- 「この薬、私の生活にどんなメリットをもたらしていると思いますか?」
- 「この薬が、私の目標(例:庭仕事を続ける)を妨げていないか、教えていただけますか?」
- 「副作用で転倒したことがありますが、この薬が原因の可能性はありますか?」
- 「減らす方法があれば、少しずつ試してみたいです。どうすれば安全に減らせるでしょうか?」
- 「この薬をやめたら、どんな症状が出る可能性がありますか? そのときはどうすればいいですか?」
- 「薬を減らしたい」だけ(抽象的)
- 「これ、高いからやめたい」(医師は経済的判断を避ける)
- 「もう長くないから、薬はいらない」(医師は「見捨てた」と誤解する)
減らすのは、いきなりではない
薬をやめるのは、いきなりではありません。86%の成功事例は、少しずつ減らす「減量法」です。たとえば:- 1ヶ月に1回、1/4だけ減らす
- 週に1日、薬を休む「薬の休日」を設ける
- 朝だけ飲んで、夜はやめる
「減らし始めたら、めまいがひどくなったらすぐに連絡します。2週間後にまた診察を受けて、様子を見ましょう」
こう言えると、医師は安心して同意してくれます。79%の医師が、減量の「モニタリング計画」を求めてきます。
成功した人の実例
名古屋で暮らす78歳の女性、佐藤さんは、5種類の薬を飲んでいました。めまいとだるさで、外に出るのが怖くなっていました。彼女は、自分の薬を全部書き出し、副作用を1週間日記につけました。そして、診察でこう言いました:「私は、毎朝、近所の公園で朝日を浴びて、お散歩したいんです。でも、この薬を飲むと、頭がぼーっとして、歩けません。この薬(抗不安薬)を、少し減らしてもらえませんか?」
医師は、彼女の日記を見て、抗不安薬を1/4減らすことに同意。2週間後、めまいは軽くなりました。1ヶ月後、さらに減らし、3ヶ月後には完全にやめました。今では、毎日、公園で犬と遊んでいます。 一方、別の患者さんは、「薬を減らしたい」だけ言ったら、医師に「医学的に必要です」と言われて、話が進みませんでした。違いは、目標を伝えたかどうかです。今、変わっていること
2023年から、アメリカの老年医学会は、65歳以上で5種類以上の薬を飲んでいる人には、毎年「薬の見直し」を推奨しています。日本でも、2024年から、メデイケアの定期健診に「薬の最適化」が含まれるようになり、医師が薬の減量を話し合う時間が増えてきました。 電子カルテのシステムも変わりました。多くの病院で、65歳以上で不適切な薬を飲んでいる患者に、自動でアラートが出るようになりました。医師は、それをきっかけに「この薬、本当に必要?」と問い直すようになっています。 でも、医師の78%は、薬を減らす方法に自信がありません。だから、あなたが準備して、話すことが、一番の助けになるのです。次にやること
今すぐできること:- 今飲んでいる薬を全部書き出す(処方箋、サプリ、市販薬すべて)
- 最近、体に不調が起きた日を1週間記録する(何を飲んだあとに、どんな症状が出たか)
- 「これから1年、何をしたいか」を1つ書き出す(例:孫と公園で遊ぶ、近所のスーパーに歩いて行く)
- 次回の診察で、「薬の見直しの時間」を予約する
- 診察のときに、この3つを持っていく
薬を減らすと、病気が悪くなる心配はありませんか?
減らす薬は、すでに効果が薄れている、またはリスクが大きくなっているものだけです。たとえば、コレステロール薬は、80歳以上で心臓病のリスクが低い場合、効果がほとんどありません。また、血圧薬を減らしても、血圧が安定しているなら、問題ありません。医師は、減らす前に、安全な減量計画を立て、必要なら数週間で再チェックします。減らすと悪化するような薬は、基本的には減らしません。
薬を減らすと、医師の関心が薄れるのでは?
いいえ。むしろ、あなたが自分の健康に積極的に関わっていることを、医師は高く評価します。薬を減らすことは、単に薬をやめるのではなく、生活の質を守るための「適切な治療」です。医師は、あなたが「薬に頼りすぎず、自分で体と向き合っている」ことに安心感を覚えます。実際、89%の医師が、患者が自分から話すことで信頼関係が深まると感じています。
市販薬やサプリも減らしたほうがいいですか?
はい。市販薬やサプリメントは、処方薬と同じように、体に影響を与えます。たとえば、ビタミンEやガーリックサプリは、血液をサラサラにする作用があり、抗凝固薬と併用すると出血のリスクが上がります。また、睡眠薬の代わりに飲んでいるハーブティーの中にも、効果が強い成分が含まれていることがあります。すべての薬とサプリを医師に伝えて、本当に必要なものか見直しましょう。
薬を減らすのに、何ヶ月かかりますか?
薬の種類や体の反応によって異なりますが、平均して1〜3ヶ月で1種類を減らすのが安全です。急にやめると、離脱症状や病気がぶり返すことがあります。たとえば、抗不安薬を急にやめると、めまいや動悸が強くなることがあります。だから、1ヶ月に1回、1/4ずつ減らすなど、ゆっくりと進めるのが基本です。医師と「どのくらいのペースで減らすか」を、最初に決めてください。
薬を減らすのを、家族に相談したほうがいいですか?
はい。特に、認知症や記憶力の低下がある場合は、家族の協力が不可欠です。家族が薬の服用をチェックしたり、副作用の変化に気づいてくれたりします。ただし、家族が「薬をやめさせたい」と言いすぎると、あなたが不安になることがあります。あくまで、あなたの意思を尊重して、サポート役として協力してもらうのが理想です。一緒に診察に同行するのも、とても効果的です。
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