体重に基づき、標準的な開始投与量を計算します。実際の投与量は医師の指示に従ってください。
関節リウマチの治療に使われる薬のひとつ、アザチオプリンは、免疫抑制作用を持つ経口薬で、長期的な炎症コントロールに役立ちます。日本でも数十年にわたって使用されてきましたが、実際の効果や注意点は意外と知られていません。この記事では、アザチオプリンの仕組みから副作用、他の治療薬との比較まで、関節リウマチ患者が知っておくべき情報をすべてまとめました。
まずは疾患自体をおさらいしましょう。関節リウマチは、自己免疫が関与する慢性関節炎で、関節の破壊だけでなく全身の合併症も引き起こす可能性があります。治療目標は炎症の抑制、関節機能の保存、生活の質向上です。
アザチオプリンは体内で6-メルカプトプリンという活性代謝物に変換され、DNA合成を阻害します。これにより増殖が盛んな免疫細胞(特にT細胞やB細胞)の活動が抑えられ、炎症性サイトカインの産生が減少します。結果として関節の炎症が鎮静化し、症状が緩和されます。
ただし、腎機能が著しく低下している患者や妊娠中・授乳中の女性には慎重な評価が必要です。
成人では体重1kgあたり2〜3mgが標準的な開始用量で、血液検査の結果に応じて最大で5mg/kgまで増量します。服用は1日1回または2回に分割し、食事の有無は問わないのが利点です。開始後2〜4週間で血中濃度と副作用を評価し、必要に応じて調整します。
アザチオプリンは免疫抑制薬であるため、感染症リスクや血球減少が起こりやすいです。以下の検査を定期的に行うことが推奨されます。
副作用の主なものは以下の通りです。
症状が出たらすぐに医師に相談し、必要に応じて用量減や中止を検討します。
薬剤 | 作用機序 | 典型的用量 | 主なモニタリング項目 | 代表的副作用 |
---|---|---|---|---|
アザチオプリン | プリン代謝阻害による免疫抑制 | 2-5mg/kg/日 | 肝機能・血液検査 | 肝障害、感染リスク、血球減少 |
メトトレキサート | ジヒドロ葉酸還元酵素阻害 | 7.5-25mg/週 | 血液検査・肝機能 | 口内炎、肝障害、肺障害 |
TNF阻害薬(例:エタネルセプト) | TNF-α 中和 | 50mg/週(皮下) | 感染症スクリーニング、結核検査 | 重篤感染、肝炎、注射部位反応 |
治療は「医師+患者」のチームプレイです。質問や不安は遠慮せずに相談しましょう。
食事の有無は問わないので、毎日同じ時間に服用するのが最も管理しやすいです。忘れがちな場合はスマホのリマインダーを活用すると便利です。
自己判断で中止すると症状が急激に悪化することがあります。軽い症状でもまずは担当医に連絡し、用量調整や代替薬の検討を指示してもらいましょう。
妊娠中は胎児へのリスクが報告されているため、通常は使用を避けます。妊娠計画がある場合は、事前に医師と代替薬について相談してください。
開始後最初の2〜4週間は週1回、安定後は3か月に1回が目安です。ただし、感染症や肝機能異常の兆候がある場合は随時追加検査が必要です。
特にメトトレキサートやステロイドと併用することが多いですが、ワルファリンなど血液凝固に関わる薬とは相互作用が強いため、必ず医師に報告してください。
以上が、アザチオプリンと関節リウマチに関する基本的な情報です。正しい知識と定期的なチェックで、症状コントロールと安全な治療を実現しましょう。
コメント
Maxima Matsuda
15 10月 2025まあ、アザチオプリンの説明がたっぷり書いてあるから、みんなすぐにマスターできるんだよね、実はね。